私がケアマネ試験の勉強をしていたのは、育休中でした。夫も一級建築士の試験に向けて勉強していて、試験日はまさかの同じ日。2人の子どもを見ながら、夫婦それぞれの試験に向けて準備していました。

半年前から計画して勉強を続け、私は一発合格できました。でも、今すぐケアマネに転職するつもりはありません。

看護師の仕事にはやりがいがあります。2人の子どもとの今の暮らしも、私にとって充実したものです。

それでも試験を受けたのは、患者さんの退院後をもっと理解したかったから。そして、将来の自分に働き方の選択肢を残しておきたかったからです。

看護師の仕事は好き。でも、ずっと同じ働き方を続けられる?

夜勤があり、体力を使う業務も多い病棟で働いてきました。給料は良いと思っています。ただ、定年まで今の病院で同じように働く自分は、思い描けませんでした。

もし私が体を壊したら、今までどおりに働けるのだろうか。看護師として経験を積んできても、今の働き方は続けられなくなるかもしれない。将来を考えると、怖かったです。

看護師の仕事は続けたいです。患者さんの回復や、退院という人生の分岐点に関われる仕事には、責任もやりがいもあります。

だからこそ、看護師の経験を生かしながら、体力や生活に合った働き方を選べるようにしたい。そう考えて、ケアマネを第二のキャリアとして視野に入れるようになりました。

浅い知識で答えるより、きちんと学びたかった

資格を目指した理由は、自分の将来だけではありません。

地域包括ケア病棟で働いていたとき、ケアマネが何をする人なのか、退院後にどう関わってくれるのかについて、よく聞かれました。説明する私自身が、役割をきちんと理解しておきたいと思いました。

自宅で暮らす人を担当するケアマネと、施設のケアマネでは、仕事の中身が違います。病院にいると目にする機会がありますが、初めて介護に触れる方にはわかりにくい部分です。

患者さんやご家族が、退院後に少しでも戸惑わずに済むようにしたい。浅い知識で答えるより、学んだうえで説明する方が役に立てると考えました。

退院は、病院での関わりが終わる日というだけではありません。病気や後遺症を抱えながら、新しい生活が始まる日です。

自宅で暮らしたいのか、施設での生活を考えているのか。本人の希望と家族の状況から、どんな支援につなげられるのか。退院後を支えるケアマネの視点を知りたくなりました。

勉強したことは、転職する前から看護に役立った

勉強を始めてから、ケアマネの役割や退院後のサービスを、前より自信を持って説明できるようになりました。

役立ったのは、患者さんの24時間の生活をイメージする視点です。

病院での過ごし方だけでなく、自宅に帰ったらどうなるのか。病気や後遺症が生活にどう影響し、本人や家族がどこで困りそうなのか。看護師として知っている体の状態と、暮らしに必要な支援を結びつけて考えやすくなりました。

老健、有料老人ホーム、特養の違いを学んだことも、患者さんの不安を考える助けになっています。退院先がどんな場所かわかると、患者さんが何を心配しているのかも想像しやすくなります。

ケアマネとして働いていなくても、学んだことは今の看護に使えている。 受験してよかったと思う理由の1つです。

夫婦で試験勉強。大変だったけれど、一人ではなかった

育休中は、思うように勉強時間が取れませんでした。子どもが寝ている間や、家事育児の合間に少しずつ進めました。

まとまった時間を待っていたら、いつまでも始められません。だから半年前から計画を立て、できない日は無理をせず、できる範囲で続けることにしました。

夫の試験は、私が勉強を始める前から決まっていました。育休中に勉強したいと思った時期が、たまたま重なった形です。だから、夫の試験を優先することに不満はありませんでした。

両立は大変でした。それでも、夫も頑張っているから、私もできる範囲で頑張ろうと思えました。

お互いの勉強の進み具合を話すようになったことも、私には大きかったです。夫婦の会話が子どもの話だけではなくなり、自分のやりたいことや目標を話せるようになりました。

どうしても集中したいときは、時間を決めて交代で子どもと遊びました。2人とも試験勉強ばかりにならないよう、子どもとの時間をどう確保するかも、前より話し合うようになりました。

お互いに目標を持ち、家族の時間も守ろうと相談しながら取り組みました。

合格した今は、転職を急がなくてもいいと思っている

今は子育てをしながら看護師として働く生活に、充実感があります。合格したから、すぐに転職しなければとは考えていません。

40代になったときや、子どもが小学校に通うようになった頃に、改めて考えてもよいと思っています。そのときの体力や家族の状況を見ながら決めたいです。

今の病院で働き続ける以外にも道がある。そう思えるようになって、将来への不安は少し減りました。すぐに仕事を変えなくても、自分のタイミングで選べる。それが今の安心につながっています。

なお、ケアマネとして働くには、試験に合格したあと、実務研修の修了や登録などの手続きが必要です。合格すればそのまま働ける、というわけではありません。

看護を続けたい私にとって、将来への備えだった

看護師全員がケアマネ試験を受けるべきだとは思いません。私の場合は、患者さんの退院後を理解したい気持ちと、自分の将来への備えが受験につながりました。

今は看護師として、目の前の患者さんに関わっていたい。子どもとの時間も楽しみたい。生活が変わったときには、働き方も改めて考えたいです。

すぐに転職しなくても、勉強したことは今の看護に役立っています。将来の働き方だけでなく、自分や家族に支援が必要になったときにも、学んだ知識を役立てたいと思っています。