「看護師の仕事は嫌いではない。患者さんの力になれた日は、看護師になってよかったと思う」

看護の仕事にやりがいを感じながらも、これからの働き方に迷っている方へ。

それでも、夜勤の後に疲れが抜けなかったり、家族との予定が合わなかったり。「今の働き方を、あと何年続けられるだろう」と考えることはありませんか。

ケアマネに関心を持つ理由は、人によって違います。身体の負担を変えたい人もいれば、退院後の暮らしに関わりたい人もいるでしょう。

看護師としてのやりがいと、働き方を変えたい気持ちは、両方あっていいと私は思います。

私は看護師として働きながら、ケアマネ試験に一発合格しました。この記事では、看護師の経験と試験で学んだことに、公的な職業情報などを合わせています。私自身の転職体験談ではなく、ケアマネに関心を持つ看護師に向けた解説です。

看護師にもケアマネにも、仕事の良さと大変さがあります。やりがい、働く時間、収入、負担の違いを、これからの生活に重ねて紹介します。

看護師がケアマネに関心を持つ理由

看護の仕事は好きでも、夜勤や体力の負担は変えたい

看護を続けたい気持ちがあっても、今の勤務を続ける負担は別の問題です。

夜勤明けは休むだけで一日が終わる。休日も次の勤務に備えて、予定を入れにくい。そんな日々が続けば、日勤中心の働き方に目が向くこともあるでしょう。

「もう少し無理なく働きたい」と思ったときまで、仕事への熱意を疑う必要はありません。これからも人を支える仕事を続けるために、自分の生活を考えてよいのだと思います。

家族や自分の時間も大切にしながら働きたい

子育てや親の介護など、仕事以外で担う役割は変わっていきます。以前は合っていた勤務が、今の暮らしには合わなくなることもあります。

家族と夕食をとりたい。休日に出かける余力を残したい。自分のために学んだり、休んだりする時間が欲しい。

希望する暮らしを具体的にすると、仕事で変えたい部分も見えてきます。ただし、ケアマネなら希望どおりの時間に働けるとは限りません。職種への憧れと、実際の勤務条件は分けて考えたいところです。

看護経験を生かして、退院後の暮らしにも関わりたい

病院で関わった患者さんの、その後の生活が気になる方もいるでしょう。自宅で過ごせているか、家族が無理をしていないか。退院後まで思いを巡らせるなかで、ケアマネの仕事に関心を持つこともあります。

ケアマネは、本人や家族の希望と生活状況を踏まえて支援を組み立てます。サービス事業者などと調整しながら、暮らしを支える仕事です。

看護師として大切にしてきた関わりを、別の役割で続けたい。そんな気持ちも、資格を目指す理由になります。

看護師の仕事には、続けたい良さと抱えやすい大変さがある

直接ケアを届け、回復や生活の変化を支えられる

看護師の良さの一つは、自分のケアを通して患者さんを支えられることです。表情や動作の変化を捉え、必要な援助を考える役割があります。

関わりを重ねるなかで、相手の希望が分かったり、安心につながったと感じたり。看護のやりがいは、治療による回復だけではないはずです。

患者さんのそばでケアをする時間が好きなら、手放したくない気持ちも大切にしてほしいと思います。

積み重ねた経験を生かし、働く場所を選べる

看護師には、病院のほかにも診療所や訪問看護などの働く場があります。対象となる人や勤務の形は、職場によって異なります。

経験を深めたい分野がある方にとって、看護師として働き続ける魅力もあります。職場や役割を変えることで、今までの経験を生かせる場合もあるでしょう。

「今の職場を離れたい」と「看護の仕事を離れたい」は、同じとは限りません。

夜勤や身体の負担が、生活との両立を難しくすることがある

交替勤務や身体介助のある職場では、生活リズムや体力面の負担が生じます。夜勤のある病棟と日勤の職場では、働き方も違います。

「前はできていたのに」と、今の自分を責めてしまうこともあるかもしれません。でも、体調や家庭の事情が変われば、無理なく働ける条件も変わります。

続けるために働き方を見直すことも、経験を大切にする選び方です。

忙しさのなかで、思うように関われないもどかしさもある

患者さんの話をもう少し聞きたいのに、次の業務が待っている。そんな場面に、もどかしさを感じる方もいるでしょう。

十分に関われなかった思いは、人を支える仕事を大切にしているからこそ生まれるのかもしれません。

ただ、ケアマネに転職すれば時間に余裕ができるとは言い切れません。仕事の進め方や担当する業務によって、忙しさの形も変わります。

ケアマネの仕事には、暮らしを支える良さと調整を担う大変さがある

本人が望む暮らしを、家族や多職種と一緒に支えられる

ケアマネは、必要な支援を考えてケアプランを作り、関係者との調整を担います。支援が始まった後も生活状況を捉え、必要に応じて計画を見直します。

本人が続けたい暮らしと、家族が担えることを一緒に考える。医療や介護の力を借りながら、生活を支える方法を探していく。そんな関わりに魅力を感じる人には、やりがいのある選択肢でしょう。

もちろん、暮らしを支える視点は看護にもあります。ケアマネでは、計画や調整を担う立場から関わる点に違いがあります。

看護の知識を生かしながら、働き方を変えられる可能性がある

病状や日常生活への影響を考える力は、支援を組み立てる際にも役立ちます。医療職の説明を理解し、本人や家族の思いをつなぐ場面もあるでしょう。

働く時間を変えたい人にとっては、日勤中心の職場も選択肢になります。ただし、ケアマネにも時間外の対応や他業務との兼務がある職場があります。

資格名だけで安心せず、自分が希望する生活に合う働き方かを見ていきたいところです。

給料が下がることや、新しく学ぶ負担もある

現在の収入に夜勤手当が含まれる場合は、転職後に年収が下がる可能性も考えておきたいところです。基本給だけでなく、賞与や手当も含めて比べる必要があります。

資格が増えることと、給料が増えることは別です。働く時間を変えたい気持ちと、生活に必要な収入の両方を大切にしてください。

介護保険制度や地域のサービス、ケアプランの作成なども学ぶ必要があります。看護では経験を積んでいても、初めての業務では教わる立場になります。

分からないことを相談しながら学べる環境は、転職後の安心につながります。

相談・調整・書類業務には、看護とは異なる難しさがある

ケアマネは、希望や考え方の異なる人たちの間で調整する場面があります。本人の希望、家族の事情、利用できるサービスが合わないこともあるでしょう。

相談を受けた後の連絡や記録、計画の作成も必要です。身体を動かす負担が変わっても、気持ちの面まで軽くなるとは限りません。

地域のケアマネを対象とした調査でも、精神面の負担や夜間・休日の相談対応が挙がっています。全国の全職場を示す数字ではありませんが、仕事の一面として知っておきたい内容です。

看護師とケアマネの違いを、これからの生活に重ねて比べる

どちらにも良さがあるからこそ、迷うのだと思います。職種の優劣ではなく、自分が続けたい関わり方と暮らしを重ねてみてください。

以下は比較の視点です。実際の仕事内容や待遇は、勤務先によって異なります。

比べること 看護師 ケアマネ
やりがい 直接のケアを通して、回復や生活を支える 計画や調整を通して、本人が望む暮らしを支える
経験の生かし方 看護の知識・技術を深める 医療の理解や連携経験をケアマネジメントに生かす
働く時間 日勤・交替勤務など職場による 日勤中心の職場でも、時間外対応や兼務に違いがある
収入 基本給・夜勤手当・賞与などを含めて考える 基本給・資格手当・賞与などを含めて考える
負担 身体介助や急変対応など、部署・役割によって異なる 訪問・相談調整・書類業務など、担当業務によって異なる
新たな学び 専門分野や看護技術を学び続ける 制度・地域資源・計画作成などを学び続ける

やりがいは、どんな関わり方を続けたいかで比べる

患者さんのそばで、直接ケアをする時間を大切にしたい。あるいは、退院後の暮らしを一緒に考える役割を深めたい。自分が心を動かされる場面を思い出してみてください。

看護師を続ける場合も、ケアマネを目指す場合も、今まで大切にしてきた思いを出発点にできます。

収入は、勤務時間や手当と合わせて比べる

給料は、仕事を続けるうえで大切な条件です。収入が気になるからといって、やりがいを軽く考えているわけではありません。

今は収入を維持したい時期なのか。収入が変わっても、家族との時間を増やしたいのか。自分だけで抱えず、必要なら家族とも話しながら考えてよいと思います。

「やりたい仕事だから」と、生活の不安を置き去りにしないでください。

続けやすさは、体力・気持ち・家庭との両立で考える

今つらいと感じる理由を分けると、変えたいことが見えやすくなります。

夜勤の疲れなのか。人間関係なのか。患者さんと向き合う時間が足りないことなのか。負担の理由によって、合う選択肢も変わるはずです。

ケアマネという仕事への関心と、今の職場へのつらさ。両方を言葉にすると、転職後に求めたいことも具体的になります。

ケアマネに関心のある看護師が抱きやすい迷い

看護経験を生かせる部分と、新たに学ぶ部分を分けて考える

「看護師としての経験は、無駄になりませんか?」

病状を理解する力や、本人・家族と話を重ねてきた経験は、新しい役割でも生かせます。一方、ケアマネの制度や実務は、改めて学ぶ必要があります。

経験があることと、最初から何でもできることは別です。教わる時間も必要だと考えておくと、新しい仕事との向き合い方が変わるかもしれません。

資格を取ることと、すぐに転職することは分けて考えられる

「資格を取ったら、すぐに転職した方がよいのでしょうか?」

資格取得を目指しながら、今後の働き方を考える進め方もあります。学びを通して関心が深まることも、看護師として続けたい仕事が見つかることもあるでしょう。

なお、ケアマネとして働くには、試験合格後の実務研修や登録などが必要です。試験に合格した時点で、すぐに業務を始められるわけではありません。

看護師を続けながら働き方を変える選択もある

「負担を変えるには、看護師を離れるしかありませんか?」

看護の仕事を続けたい気持ちが強ければ、勤務形態や働く場所を変える道もあります。柔軟な勤務形態を取り入れる看護現場の事例も紹介されています。

ケアマネを選ぶために、看護師の良さを否定する必要はありません。自分に合う働き方を探すなかで、両方の可能性を残しておいてよいと思います。

看護師の経験を大切にしながら、次の働き方を選ぶ

続けたいことと、変えたいことを言葉にする

まずは、答えを出すよりも自分の希望を書き出してみてください。

  • 人を支える仕事のなかで、これからも続けたいこと
  • 今の働き方で、変えたいと感じていること
  • 仕事以外の生活で、大切にしたいこと

全部を一度にかなえるのは難しくても、今の優先順位は見つけられるかもしれません。看護師として頑張ってきた自分と、違う働き方を望む自分。どちらの気持ちも置き去りにしなくてよいのだと思います。

ケアマネへの関心が深まったら、資格取得の道筋を知る

ユキソラでは、看護師の経験を生かしてケアマネを目指す方を応援しています。試験合格だけでなく、学びを第二のキャリアにつなげることを大切にしています。

ケアマネの仕事をもっと知りたいと思ったら、次は受験から資格取得までの流れを見てみてください。転職を決めていなくても、将来の選択肢を知るところから始められます。